『DESIGN IT! magazine』創刊
By Hiroki Kamata | 2008年 6月 23日
活字メディアへの新しいチャレンジ
『DESIGN IT! magazine』という新雑誌が創刊された。“休刊”は聞いても創刊は聞かない世界で、新しい生命が誕生したことを喜び、版元のリックテレコムの勇断を称えたい。しかも、本誌は最高度の編集・デザイン品質を実現しており、そんなことがまだ可能だと思わなかった筆者にも驚きだ。ジャンルによらず、創刊でこの水準を達成するには、テーマとコンセプトの推敲、コンテンツとデザインのインタラクション、コストや締め切りの管理など、身を削るような作業が必要になる。
紙と活字には(後戻りできず、時代の記録として遺る)特有の緊張感があり、それが揮発性メディアであるWebや放送では不可能な、知識の結晶化をもたらすが、挑戦的なテーマほど、経済的な見返りは少ない。編集関係者は、Webや(すでに先行中の)イベントとの連動を考えているようだが、労苦を惜しまずペーパーメディアにチャレンジしたことは貴重だ。
あ、そうそう中身である。「デザインからITを考えるビジネスマガジン」というキャッチの通り、Webを中心としたITデザインとビジネスの接点(まさにユーザーインタフェース・デザイン)をまともに追求する内容である。DESIGN IT!のフレームワークは、6つのテーマ(ストラテジー、デザインマネジメント、ユーザビリティ、インタラクション、情報アーキテクチャ、コンテンツマネジメント)から構成されるが、magazineはこれらを5つの視点(特集、視点、事例、手法、評価)から、ダイナミックに知識情報化しようとしている。おりよく日本上陸が決まったiPhoneの特集が組まれているが、ビジネス情報システムから、このスマートメディアの本質であるUIデザインに迫ったことは、このオモチャ好きの国では他に例を見ないだろう。
情報デザインのステークホルダー、つまりビジネスとITとデザイナーのすべてにとって重要な記事が多いので、今後も本ブログでコメントしていきたい。まずは活字媒体の新創刊を慶賀しつつ。(注文はこちらから)
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