時価総額の夢よりITビジネスの創造性を
By Hiroki Kamata | 2008年 11月 10日
YahooとGoogleの提携が、司法省の承認がとれそうもないことから“破談”になった。マイクロソフトの買収話が再燃か、とも思われたが、スティーブ・バルマーは「興味がない」とのこと。ネットビジネス界の、今年最大の話題だった大型買収は、金融恐慌の冷水(というより猛吹雪)を浴びてほぼ消滅したようだ。ともに、本業に精を出すのが一番いい。
そもそも買収問題が外野を巻き込んでヒートアップしたのは、企業価値を時価総額で測る“金融資本主義”時代のことで、この物差し自体、今となってはジョークのようなものだ。マイクロソフトの当初の提案価格はなんと446億ドル。同社の年間売上とそう違わない。Yahooの株主にとっては、まさに千載一遇の好機であった。ジェリー・ヤンを殺したいほど憎いと思っている人間は少なくないだろう。しかし、頭を冷やして2008年の年初と先週末の株価の変動率だけを見れば、マイクロソフト ($33.91→21.50=▲36.6%)、Yahoo (20.78→12.20=▲41.3%)、Google (638.25→331.14=▲48.1%)と、そう大差はないのだ。
ジェリー・ヤンは、株主から金儲けの機会を奪ったが、マイクロソフトは巨額の資金をどぶに捨てずに済んだ。Yahooには、まだ新しいビジネスモデルを創造する若々しさを期待したいし、マイクロソフトには、広告業など別世界のビジネスに手を出さず、ソフトウェアで頑張ってほしい。ネットビジネスは「検索=広告」だけに収斂するものとも思えないし、ソフトウェアのほうは、まだぜんぜん「成熟」してもいないのだから。
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