カテゴリー

最近の投稿

ブログロール

韓国の「ミネルヴァ」逮捕:情報源追及が目的か

By Hiroki Kamata | 2009年 1月 8日

韓国ソウルの中央地検は8日、インターネットの掲示板に「政府が銀行にドル買い禁止を命じた」と書いた30歳の男(ハンドル名「ミネルヴァ」)を、電気通信事業法で禁じる「虚偽内容流布」の疑いで緊急逮捕したことを明らかにした(各紙記事による)。批判は皆さんに任せるとして、政府が「言論の自由」を敢えて封殺する挙に出たのはなぜか。推理してみたい。

インターネットで「虚偽内容流布」を禁じるのは、ネットでの言論を禁じることに等しい。「真偽」を判定する権限が司法にあるということを意味するからだ。選挙で選ばれた政府が裁判で争うには嫌なテーマだろう。全斗煥政権時代への逆戻りということになる。しかしこうまでしたのは、容疑とは逆に、

(1)「ミネルヴァ」の内容に事実が多く含まれていたために、
(2) 経済政策に影響を与えるほど、社会的影響力が大きくなり、
(3) 政府としてもなんとか沈黙させる必要が生じ、さらに
(4) 情報の入手先など「背後関係」を追及してみたくなった、

と推測される。「ミネルヴァ」氏は短大卒で「経済学を独学で学んだ」というが、リーマンの破綻やウォンの急落を直前予想するなど、情報は非常に具体的であり、そのために大きな影響力を持つようになった。何もネタを持っていないことは考えられない(と当局は見た)。当局はだから、まずこの「情報源」を吐かそうとするだろう。もしかすると「北」かもしれないからだ。逮捕の最大の理由はそこではないかと推測される。しかし最終的に「虚偽内容流布」で立件しようとするなら、「嘘をついてました」で済む。なぜ的中したのかという疑問が残るが、穏便に済ますならそうするだろう。

しかし、「さる筋の情報を流した」と公表する可能性もないわけではない。その場合は、スパイ事件 (disinformation=偽情報) の流布の摘発へと進み、さらに情報統制に発展する可能性がないではない。その場合、ソウル地検などではなく、かのKCIAの後身である「国家情報院」が前面に出てくることになる。 (01/08/2009)

Topics: 近時片々(時論) | No Comments »

採点をお願いします。


コメントはこちらへ