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「神話」を破壊する第二のトヨタショック:韓国製鋼板の調達

By Hiroki Kamata | 2009年 1月 14日

日本ではあまり大きく扱われていないが、トヨタが国内工場向けに韓国ポスコから鋼板を調達することを決めたというニュースは、海外では「おそらく日本の産業界の最大のタブーを破る」一大転換点と評価されている (Times 01/12/2009)。愛知を中心とした巨大な部品調達ネットワークの関連企業は恐慌をきたし、最低でも自滅的な価格競争、最悪の場合は「日本の鋼材メーカーだけがトヨタの要求する品質の製品を供給できるという神話を打ち砕くことになる」というのである。

日本ではこれが「タブー」だの「神話」だのと言われていなかったのは、それだけ違和感のない事実として信じられてきたからだろう。もちろん、それは神話であり、世界の鉄鋼メーカーは、日本メーカーと遜色ない製品を供給できる。しかし、調達というものは、価格、数量、納期その他の条件が噛み合って意味があるわけで、日本においては日本メーカーが優位にあったというだけのことだ。しかし、ウォン安が進み、価格では勝負できなくなったため、すでに日産などは韓国から調達している。むしろトヨタが神話を維持し、国内部品メーカーに安心を保障してこれたことに驚くべきなのだ。海外メディアは、トヨタのようなチャンピオンでさえ日本製品に頼らないとすれば…という「もう一つのトヨタショック」に注目している。

半導体、LCDなど、品質が同等で価格が安い電子部品は韓国からの調達が拡大する。小売業は薄型TVやパソコンでも韓国製品に注目している。それはさらに日本製品への価格競争圧力となるだろう。ウォンの対ドルレートは昨年25%あまり下落した。対円では、ほとんど半分だ。これでは勝負にならない製品は多い。

日本の製品技術はたしかに優れている。しかしビジネスにおいて、技術は所与の環境において、市場が求める製品を供給するものでなければ機能しない。つまり、競争に勝てないということだ。「技術神話」はテクノロジーを環境から独立させ、思考停止に陥らせる。これはまともな技術者の発想ではなく、技術音痴のしろうと発想である。カローラとフェラーリの「技術」を比較することは意味がない。それぞれ指向するものが違うからだ。

21世紀の日本の技術は、危険な「技術神話」を捨て去り、現在と将来の市場にどのようなユニークな価値を提供できるのか、そのためにどんな技術を組み合わせればよいのかというところから出発しなければならない。

* “Toyota looks to Korea for its steel supply”, by Leo Lewis, Times Online 01/12/2009

Topics: 政治・経済・ビジネス | No Comments »

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