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米国電子政府のウェブデザイン:政府はユーザーのためにある

By Hiroki Kamata | 2009年 1月 27日

ホワイトハウスに続いて、連邦政府のウェブサイト (USA.gov)もWeb 2.0時代に入っていくようだ。Change.gov のコンセプトとアイデアを反映させたもので、ニュースフィード、オンラインアプリケーションのためのガジェット、人気コンテンツの表示、よく使われる検索語などが追加されている。

usa_govUSA.gov は、連邦政府の連邦調達庁GSA (General Services Administration)が運営している。GSAは、調達・資産・情報などに係る連邦各省庁の基本的活動を管理・支援する独立機関で、調達を中心にかなり多岐なサービスを行う。エンタープライズアーキテクチャ(EA)および情報アーキテクチャ(IA)のコンセプトに基づいて横断的な情報交換・利用を可能とするフレームワーク (Federal Transition Framework)を開発・標準化しているのもここであり、情報ウェブサイトの構築指針なども提供している。つまり米国の電子政府プロジェクトの中心といえる。

日本政府のサイト (kantei.go.jp)は、ホワイトハウスにあたる首相官邸が政府サイトを兼ねているが、どちらかといえば Whitehouse.gov に近く、USA.gov にあたるものはない。内容も政府広報と首相の談話が中心で、情報量は非常に少ない。政策情報である「主な報告書・答申等」は分類もされておらず、「政策会議等の活動」に至っては、「総理または官房長官を構成員とする会議」「総理または官房長官を構成員でない会議」「 事実上の会合の開催実績 」とまったく意味不明の分類→50音順表示で並べられている。

政策というものは、目的・目標・手段という形で整理されないと、国民はもちろん、担当者にとってさえ訳がわからなくなる。プライオリティの設定もできない。例えば、自動車に関する政策は、通商・産業政策、交通政策、科学技術政策を中心に、財政金融や地域政策まで含めて総合的に検討される必要があるが、「政府」はどう考えているのかは不明だろう。「省あって政府なし」と言われる現状が「官邸」に反映されている。Whitehouse.gov とUSA.govは、一つのベストプラクティスとすべきものだろう。

USA.govのサイトのインタフェースは、基本的に市民/企業・団体/政府職員/外国からの訪問者の4種類の利用者に分かれ(さらに企業であれば自営業から外国企業までの小分類がある)、まずユーザーが識別され、彼らのアクセス目的(起業、入札、資金補助、税金…)に対して情報を用意していく形をとっている。これがコミュニケーションの基本であることは言うまでもない。たんなるデータがユーザーにとって「意味」を持つためのコンテクストに沿ってUIが設計されているわけで、そうすれば情報への需要も喚起され、政策情報の発信手段としても効果的となる。トラフィックが多くなれば、そこから得られる情報も多くなるだろう。Web 2.0は、こうしたインフラと発信者の「社会性」意識がないと意味を持たない。ちなみに、GSAの Webcontent.gov サイトは、主に連邦政府のWebマネージャーに向けたものだが、もちろん一般的にも役に立つサイト構築・管理マニュアルとなっている。  (01/27/2009)

参考:

Feds’ Internet Site Goes Web 2.0, By K.C. Jones, InformationWeek, 1/26/2009

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