元気と夢が織りなす e-Japan 2.0の「IT戦略」コメント募集中
By Hiroki Kamata | 2009年 2月 10日
2月6日、政府の次期IT戦略を検討する「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」の第1回会議が開催された。専門調査会は、2015年までを見通した次期政府IT戦略と、現在の経済危機を克服するための今後3カ年の緊急プランをまとめるためにIT戦略本部が設置した。3月末までに緊急プラン案を、6月までに次期戦略案をとりまとめる。 座長は東京電力顧問の南直哉氏。 (日経IT Pro, 2/6/2009)
「パブリックコメント」も募集しているが、締切りはなんと2月22日。8年前に「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)」が策定したあの「e-Japan戦略」の達成度などの評価、現状や政策課題についての調査など、戦略の前提になる資料もなく、これで4月に「緊急プラン」、6月に「新戦略」を決定するというのだから、いかにも緊急な(あるいはおざなりな)雰囲気が伝わってくるが、新戦略の目玉は:
- 柱1:デジタルパワーであらゆる無駄を排除するデジタルエコ社会
- 柱2:デジタルパワーですべての国民・地域社会・企業が元気になり、夢を実現できるデジタル成長社会
ということのようで、意外とほのぼのしたもの。「デジタルパワーで元気になる」はまあいいとしても「夢を実現」とまで言ってくれても、目下の経済を救う「緊急プラン」は出てきそうもない。e-Japan は、ITバブルの余波もあり、ウェブサイトを普及させ、“なんちゃってITビジネス”の花を咲かせたが、今さらそんな浮いた気分になれそうもないのに、「元気」だ「夢」だと言葉が躍っている。欧米ともにIT戦略の基本は「成長と雇用」なのに、日本はなぜこれらと正面から向き合わないのか。(たとえば EUの “i2010” を参照)
どうして日本では「戦略」がかくも軽くなったのだろう。1970年代まで、通商産業省の「産構審ビジョン」は、日本の産業政策、企業戦略において戦略指針を示すものであった。驚くほど優秀な官僚が、本気で作っていた(そこに官僚主義は感じられなかった)。日本株式会社の司令塔として、海外からも評価され、恐れられていたほどだ。
戦略が必要なのは、そこに大きなリスクとチャンスがある場合だ。政府は「成長と雇用」に責任を持てばよいのであって、「夢」の実現などに責任を持つ必要はない。いい加減、夢から目覚めてほしい。日本は本当に危ないのだから。それから、IT戦略を語るには、様々な分野のIT専門家の数が少なすぎはしないだろうか。言いたいことは山ほどあるが、2月22日(猫の日か?)までにまとめてみよう。 (02/09/2009)
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