「考えられない」ことを考える:タイム誌の小沢大特集は何を意味するか
By admin | 2009年 3月 17日
「国策捜査」説の関係者は、「首謀者」が「記憶を失くした」官房副長官であり、彼こそ警察庁から外務省、防衛庁を経験したインテリジェンスのプロ。情報警察のトップであると言う。ということは彼も外国の諜報関係者から最もマークされる存在だということだ。「記憶を失くした男」として報告されているかも知れない。日本の政府要人をはじめTVコメンテーターの発言は、すべて日本語に堪能なスタッフによって本国に報告されている。その反応の速さは、3月8日のTV朝日での田原総一郎氏の「反ユダヤ的発言」が、翌日には Simon Wiesenthal Center というおっかない「反ユダヤ主義取締機関」(雑誌『マルコポーロ』を潰した)から厳しい謝罪要求となって返ってくるというほど。 世界は狭いのだ。
もしオバマが日本にも「チェンジ」を望んだら
「インテリジェンス」は、新聞の切り抜きから電話盗聴、買収、ゴミ浚いまで、ありとあらゆる手段で情報を集め、分析する活動だが、基本的には「公開情報」分析を最も重視する。どんな閉鎖的な国家でも、特定の指標(席次、言い回し…)に注目すれば、微かな変化から読み取れる情報はある。「インテリジェンス」といえば敵性国に関するものと思われがちだが、「同盟国」の情報はむしろ接点が非常に多いだけに最も重要である。「国策捜査」派では、小沢氏が駐留米軍不要(縮小)論を出したことと関連させ、米国CIAが裏にいる、と言う人もいる。筆者の知る限りでは、とくに今回は考えにくい。オバマ政権には自民党(すくなくとも現)政権に期待するものは皆無に近い、という印象すら持っている。逆に、日本を軽視しているのでないことは、日本の両陛下を国賓招待していることが示していると思う。
偉そうなことを、という方のために、こんな「インテリジェンス」を。ホワイトハウス・ブログの「麻生首相訪問歓迎」の記事(2/25)。この味もそっけもなさはどうだろう。写真は2枚ともわが総理の正面を捉えていない。そこがクレムリンなら、間違いなく「お前はすでに死んでいる!」と言われたことになる。記事には大統領の簡単なコメントがあるだけで、総理の得意の(トンデモ*)英語スピーチは、カットされている。
以前、ベーカー元駐日大使の「とても違う国」というコメントを紹介したが、これまで米国の政権は、日本の(とくに中国と並ぶ一党長期政権の)異質性を強く意識しながら、基本的に利用することだけを考えてきたふしがある。しかし、オバマ政権は日本にも「ふつうの国」になってほしいようだ。彼のような人間が、危機に対処するには、日本の迷走を放置できないと考えたとしても不思議でない。冷戦終結後もゾンビのように生き残り、外にはブッシュ政権、内には公明党との「連立」で生きながらえてきた「戦後体制」に、できることなら終わってもらいたい。その受け皿は「民主党」しかいない。この仮説に賛同する人は皆無に近いと思うが、もし「反小沢キャンペーン」がなんとなく終息し、秋には民主党政権が誕生していたとしたら、この記事を想い出しても損はないと思う。
オバマはオザワを救うか?
筆者の「インテリジェンス」では、この時期に『タイム』誌の異例な小沢大特集とも言えるインタビュー+記事 (“Ozawa: The Man Who Wants to Save Japan”) が載ったことを重視する。なんと4ページを超えるもので、温かい笑みを浮かべる小沢氏(日本のマスコミでは見たことない)もある。書いたのは、主に国際版編集長(Time のナンバー2)のマイケル・エリオット氏。「スキャンダルの渦中にある野党政治家」としては尋常の扱いではない。エリオット氏の経歴。英国リヴァプール生まれ。オクスフォード大学で2つの学位を持ち、英米の大学で教鞭を執り、英国政府の Central Policy Review Staff のメンバーを経て、一転ジャーナリズムの世界に入り、Economist 誌で政治担当のスタッフライター、ニューズウィーク誌国際版編集長を経験している。この3誌の幹部を経験した唯一のジャーナリストという。ただ者ではない。
文章はとても読み易いので、ぜひお読みいただきたいが、簡単に言って、小沢氏の自民党離党以来の政治姿勢、「普通の国・日本」を評価し、日本の現状分析と政治路線も評価している。自分の言葉で(政治家らしく)理路整然と話すことができる日本の政治家と会ったことが稀なのかも知れない。「もし民主党政権になれば」という質問も多い。「もし」これが米国大統領筋も関係しているインタビューだとすれば、彼らにとって満足のいくものだっただろう。すると、逆にCIAを使ってでも小沢氏を助け、恩を売っておくことを考えるかもしれない。どう思われるだろうか。
しばらく政治のことは書くまいと思っていたが、感じたら読み、読んだら反芻して考え、考えたらすぐ書く、という習慣をいったんつけてしまうと、なかなか抜けられない。日曜夜は、「フォーラム神保町」の「青年将校化する東京地検特捜部~小沢第一秘書逮捕にみる検察の暴走~」という、いかにも“団塊世代風”タイトルの「緊急集会」のネット中継まで観てしまった(録画)。起訴休職外交官の佐藤優氏とか、CMなしの田原総一郎氏とか、雄弁なムネオ議員とか、いろいろおもしろいものが見れた。とはいえ、情報そのものは、各種ブログで得られるものと大差はない。しかし、こういうものがインターネットでオンエアとは、日本の情報環境も変わったものだ。 (03/17/2009)
Topics: 政治・経済・ビジネス | 1 Comment »
2009年 9月 1日 at 6:21 PM
[...] なく終息し、秋には民主党政権が誕生していたとしたら、この記事を想い出しても損はないと思う。(「考えられない」ことを考える:タイム誌の小沢大特集は何を意味するか、3月17日) [...]