電子ブック戦争が過熱!:世界最大の書店がBlackberry対応
By Hiroki Kamata | 2009年 3月 27日
WSJournal は3月24日「過熱する (Heats Up)電子ブック市場」という見出しで、米国最大の書店、Barnes & Noble が Blackberry 用のリーダー・アプリケーションの無償提供を始めたことを報じた。「過熱する!」なんと心地良い響き! 景気をどうやって{加熱」しようというご時世。寒い春を吹き飛ばしそうなニュース。長年のビジネスモデルの探究で、アマゾンが解を見つけ、アップル、Googleとの「御三家揃い踏み」となれば、たしかに「加熱」で間違いない。B&Nの参入は当然すぎる。
B&N は、すでに2001年1月に電子書籍部門 (Barnes & Noble Digital)を立ち上げ、著作者に35%のロイヤルティを提供するなどで、営々とタイトルを積み上げてきた(現在6万)。 今年1月9日に電子ブックサービス会社の Fictionwise を買収した(1,570万ドル、当分は独立性を保持)が、今回の発表は Fictionwise からのものだ。Blackberry は大型スクリーンの機種を近く発売。B&N の電子書店サイトの本格オープンは年内に予定されている。
WSJによれば、ドイツの出版大手ベルテルスマンは、2008年の電子ブックの売上が大幅に伸びたと発表、ランダムハウスのタイトル数も1万5,000に達している。BlackBerryの RIM はすでに全世界に2,500万の購読者を持っている(米国が58%) *。アマゾン・キンドルの成功を追って、Googleはソニーと提携、同社製リーダーで50万のパブリックドメイン(著作権切れ)タイトルを読めるようにした。
Fictionwise はマルチフォーマット対応で、DRM(デジタル著作権管理)は出版社の選択が可能。フィクションとノンフィクションのタイトルに強く、ディーン・クーンツ、トム・クランシーなどのベストセラー作家のタイトルを擁している。電子ブックリーダーの Plastic Logic はFinancial Times と USA Today をタイトルに加え、新聞・出版大手のハーストもリーダーを年内にリリースする。面白いことに、世界経済が冷え切っている中で、これまであまり注目されなかった「電子ブック」が、確実に熱くなっているのだ。

Plastic Logic
インターネットの前に、出版社や新聞社(とくに後者)は糧道(広告)を絶たれ、ゲリラ(ブログ)に悩まされて落城寸前と言われてきた。関係者の間には諦めが広がっていたほどだ。皮肉なことに、インターネットの御三家のおかげで、本の情報的価値が再認識され、世界不況のお蔭で広告モデルの信頼性も揺らいできた。筆者は電子ブックこそ最も21世紀的なコンテンツとなり、広告があってもなくても成り立ちうるものだと信じている。その理由はあらためて論じたい。 (03/27/2009)
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