IBMがサンへの買収提案を撤回:ほぼ破談か?
By Hiroki Kamata | 2009年 4月 7日
両社にとって既定路線と思われていたIBMのサンマイクロシステムズへの買収提案 ($7B)が、5日(日曜)に撤回されたことが明らかになった。前日にサンの取締役会がIBMの提示金額の引き下げ案($9.55→9.40)を拒否したことが表向きの理由のようだが、もともと市場価格(先週末で8.49)をかなり上回る提示だったわけで、わずか1.6%の値下げが破談の原因とは思えない。サンは当面独自でやっていくというが、前途は多難と見られている。
撤回の理由について、欧米の紙面では、(1) UNIXサーバ市場の寡占化に伴う独禁法問題、(2) 買収の付帯条件をめぐる不一致(とくにサンの役員、上級技術者、管理者に対する待遇)などが取り沙汰されているが不明。またこれが駆け引きで、最終的に折り合えるかは不透明。しかし、今回の決定によって、独占交渉権は消滅し、サンは他の候補企業、とくにHPとシスコシステムズとの交渉が可能となった。アナリストによれば、買収は「IBMにとっては大きな問題ではないが、サンにとっては非常に大きな意味を持つ。独自路線を信じる者は少ない」ということになる。「瑕もの」ということだ。サンは昨年後半から、事業に関する詳細な数字を発表するようになり、以来身売りの前兆とみられてもいた。しかし今月末の数字はかなりの悪化が予想されている。
7,000億円を出せるのは、サーバ市場とデータセンター事業に深くコミットしているHP、シスコ、広げてもオラクルまでだろう。クラウドの成長を考えると、投資すべき価値はあるかもしれないが、サーバ市場の長期的収益性は疑問で、データセンター事業での買収メリットは価格に見合わない。結局 Java の扱いということになるが、そうするとHPとシスコの動機は大きくない。そういうことからすると、IBMとしては四半期決算の発表を前に、値切り+条件交渉の延長戦を見込んでいったん引いたか、ともとれる。 (04/06/2009)
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