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“unnecessary” な空騒ぎの顛末

By admin | 2009年 4月 16日

“contravention” を「違反」としたのは意図的なものを感じたが、日本のメディア関係者の英語力は概して頼りない。クリントン国務長官は北側の対応について “unnecessary” だと言ったのだが、筆者が見た限りでは、ほとんどがこれを「不必要」と訳し、読売だけが「無益」としていた。誰にとって、なぜ「不必要」だと言ったんだろう。誰かの気に入られようと考えて行動する連中でないことは、誰でも知っているはずなのに。

米朝二国間協議をお膳立てし、中露の目と鼻の先でMDシステムを公開!

“necessary” には「必要」と訳すべき場合のほかに、”necessary results” のように「必然」あるいは「当然」と訳すべき場合がある(ことは学校で教わると思う)。クリントン発言は、安保理の議長声明に対する北の対応(6ヵ国協議脱退、核燃料再処理再開)について述べたものであり、「そんなことは必要ない」と言ったのではなく「筋が通らない」と言ったと考えるべきだろう。これはよく使われる外交用語で、余裕を持って「やんわりとたしなめる」スタイルだ。北がよく使う「挑発的だ」とか「愚かだ」などとは間違っても言わない。日本が好きな「毅然とした」姿勢すら見せるつもりがないわけだ。

その上で「いずれは北朝鮮とも話す機会があることを望む」と述べたわけだから、「そのうち二人だけでお話ししましょうね」というメッセージを送ったわけだ。すべて「想定内」でコトが運んでいると考えるしかない。米朝二国間関係の進展に取り残されることは、冷戦継続を望むとしても望まないとしても、日本にとってよい状況ではないだろう。倉田秀也・防衛大学校教授は、産経に「日本も小泉訪朝で合意した『日朝安保協議』の立ち上げを目指すべきだ。脅威削減のために協議に臨むことは弱さの証ではない」という談話を寄せているが (4/15)、とても勇気ある提言だと思う。

同じ産経 (4/16)に、「露軍機がMD網偵察 北が発射時に情報収集機飛行」という記事があった。当然のことながら、ミサイル防衛システムを初めて実戦モードで稼働させた今回の機会をロシアや中国が逃すはずはない。MD運用に伴う各部隊の配置・能力・役割に関する詳細な情報を得ることができる、またとない機会を提供したはずだ。軍事的に見れば、「領空内に落ちてくる飛翔体の破片を迎撃する」ために、わざわざ中露両国の前にMD実験を晒すなど正気で考えられない。現実の「脅威」を知る現場は憤っているはずだ。そのうえ初日の「誤探知騒動」の一切の責任を押しつけられたのでは、自衛隊は気の毒というしかない。”unnecessary” どころか、むしろ国際的に「常軌を逸した」行為だと見られているのである。  (04/16/2009)

Topics: 政治・経済・ビジネス | No Comments »

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