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“Google 電子本合意”の独禁法問題を司法省が調査

By Hiroki Kamata | 2009年 5月 2日

800px-british_museum_reading_room_panorama_feb_2006NYTimes は4月28日、Google社と書籍著作者団体が Google Book Search に関して交わした合意内容に関し、米国司法省が独禁法上の問題の調査を開始したことを伝えた。すでに司法省の法律専門家は、合意に反対する各種グループからの聴取を開始したほか、Googleや米国出版協会、著作者協会など当事者に対しても、独禁法上の諸問題に関する検討に着手したことを通知している。司法省が反対すれば、合意は発効せず、関係者は(過去のIBMやAT&Tなどの独禁法問題と同様)法廷での同意審決まで何年にも及ぶ係争をも覚悟しなければならなくなる。(写真は大英博物館の図書閲覧室) 

長期化の懸念でGoogle版世界電子図書館に暗雲

法廷での審理に委ねられているこの合意に対して、司法省はまだ見解を示したものではないが、活発化している反対グループの行動に対する行政の反応として注目されている。合意以来、司法省と公正取引委員会(FTC)との間で、管轄権に関する論争があったようだが、司法省の勝利で決着したものと見られている。合意推進側にとってはよいニュースではない。これとは別に、NY連邦地裁で本件を担当するダニー・チン判事は、合意に対する著作権関係者の意志表明のを期限を、5月5日から4カ月間延期することを決めた。なお当事者はまだ一切のコメントを出していない。日本の出版関係者にとっては、頭を冷やして考える時間が与えられたことにもなるだろう。

昨年10月に1億2,500万ドルで決着した「合意」は、著作者団体との3年越しの交渉の結果だが、Googleに対して数百万冊に上る著作権者未確認の絶版書籍 (“orphan books”)の電子化販売に関する独占的な権利を与えている。問題はもちろん、これが公共インフラともいえる「電子図書館」の世界的独占に道を拓くことにもなるからだ。

Googleが2002年に着手したこの世界書籍電子化プロジェクトは、数10億ドルを投じる史上空前の「コンテンツ開発」事業で、物理的問題から著作権問題まで、巨大な障害を乗り越えて進められている。ニューヨーク市やハーヴァード大学、ミシガン大学、スタンフォード大学などの大図書館と提携して電子化に着手したのが2004年で、10年間で1,500万冊の電子化を計画している。これは著作物の発行地、言語を問わないから、日本語も含まれている。同種の電子化構想は過去にいくつも存在したが、マイクロソフト社はすでに撤退し、NPOの Open Content AllianceOpen Library が主な競合である。OCAのコンテンツは様々な検索サービスに開放されるが、GBSのはもちろんGoogle専用。

電子図書館の利便は言うまでもない。大図書館に収蔵されているあらゆる種類のタイトルの内容を横断的に検索・利用できるので、その利便は圧倒的だ。およそ研究者であれば、絶対に使いたくなるだろうし、これを利用せずに論文を書くことも、事実上困難になる。アクセスは基本的に有償だが、Googleは広告モデルを組合わせることもできる。その結果、Googleには、世界中の、あらゆる種類の研究/開発者の知的活動についての情報が入ってくる。数10億ドルの投資とリスク(とくに法務)に対する報酬は「独占」でなければ引き合わないのだろうか。 (05/01/2009)

Justice Dept. Opens Antitrust Inquiry Into Google Books Deal, By MIGUEL HELFT, NYTimes 4/28/2009

孤児 (絶版本)の親権:Google 電子図書館の『独占』に疑義」 本誌4月4日

Topics: 電子ブック | No Comments »

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