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アマゾンが「最大の」電子ブックリーダー Kindle DX

By Hiroki Kamata | 2009年 5月 7日

kindledxアマゾンは既報の通り、従来比2.5倍 (9.7インチ)の大画面の Kindle DXを発表した。DX (デラックス)の価格は130ドル高い489ドル。ネットブックと重なる価格帯だ。ジェフリー・ベゾスCEOは、パートナーでもあるマンハッタンのペイス大学での発表で、記者や関係者を前に「長い間の夢だったペーパーレス社会への一歩を記すもの」と述べた。 

東部3紙がトライアル配信開始

NY Times、Boston Globe、Washington Postの3紙が、紙面配布地域居住者に限定し、長期割引料金でコンテンツを提供する。新聞に関してはパイロット・プログラムと称している。これは価格、購読者、期間などに関し、現段階では合理的なビジネスモデルを想定できないことを意味していよう。アマゾンはすでに37紙誌を1ヵ月10ドル余りで提供している。アマゾンの取り分は70%余りと言われており、新聞社にとってまったく嬉しくないが、今年に再交渉が予定されている。出版社のほうの数字は不明。ニューヨークとボストンの2紙は破産の危機にあり、生き残りを目指して苦闘中。

新聞ビジネスのアナリストは、有料電子版の新しいプラットフォームが登場したことは朗報だとしながらも、489ドルという価格はお話にならないくらい高く、この半分でも苦しい、とみている。たしかに新聞のビューワとして2万円以下、ブックリーダー兼用で3万円以下であれば爆発的な普及も見込める。そこに到達するまでに勝負が決まっているかもしれない。日本では電子辞書の市場と融合する可能性が強い。

教科書・大学での試行

アマゾンが提携した教科書出版社は、ピアソン・エデュケーション (Pearson Education)、センゲージ・ラーニング (Cengage Learning)、ワイリー・ハイヤー・エデュケーション (Wiley Higher Education)の3社で、6つの大学とカレッジが試験採用し、ユーザビリティ、適用コース、紙の使用など様々な角度からテストする。

ピアソンはすでに1,400冊余りの技術書を Kindle に提供しており、さらに教科書を追加する計画。他の教科書出版社同様、同社もほぼ全タイトルの電子版をカタログに載せているが、電子版の売上はまだ全体の25%あまり。これまではほぼラップトップで利用されてきた。NYTimes (5/6) によれば、マグロウヒル社もアマゾンとの提携交渉を行っているという。同社の教育・専門書部門のリック・クラネンバーグVPは、現在のところラップトップで利用されている電子テキストが、Kindle、iPhone、Sony製リーダーなどでどう利用されていくことになるかを慎重に見極めようとしている、と述べている。

アマゾンにしてみれば、コンテンツに関する契約の詳細を詰める以前にアナウンスするべき事情があった。Plastic Logic は大画面版を準備中で、FirstPaper はハーストが支援する。またアップルも近く iPhone 以上の「何か」を出してくる。リーダーをめぐるレースは始まったばかりだ。 (05/07/2009)

参考記事

Amazon Hopes Its Bigger Kindle Ignites Demand: Latest Electronic-Book Reader Will Test Market’s Appetite for $489 Device Designed for Newspapers, Textbooks, By GEOFFREY A. FOWLER and SHIRA OVIDE, Wall St. Journal, 5/6/2009

Big News on E-Readers: A Larger Kindle Screen, by Mike Musgrove, Washington Post, 5/7/2009

Kindle版書籍の売上げ数は印刷版書籍の35%に達している」  by Eric Schonfeld, TechCrunch日本語版、5/7/2009

Topics: テクノロジーとビジネス, 電子ブック | No Comments »

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