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“大統領一直線”人生の果てに:サンフォード知事の見たもの

By Hiroki Kamata | 2009年 6月 27日

ob-dx951_0624sa_d_20090624154654本ブログのアクセスは、ボヤすらなく安定(低迷)しているが、時に検索エンジンにより、ふだんの数十倍に達することがある。先週末もそうで、特に金融詐欺に関する記事に集中していた。新しい話でもないので不審に思って調べたところ、Yahoo からのもので、元ネタがアメリカ・サウスカロライナ州のサンフォード知事の「失踪・不倫」事件に関するものだった。「サンフォード」と「スタンフォード」の混同で、そのため85%のビジターが「直帰」していた。こちらには関係のないことだが、失望させたことは間違いない。上記の事件は、先週のワシントンポストなどの記事で知っていたが、これをきっかけに少し調べてみた。

運命の6日間:アパラチア→アルゼンチン!?

mark_sanford_congressional_photoマーク・サンフォード知事は49歳で共和党のホープ(知事会長)。次回の大統領選にも名前が挙がっていた。それが1週間近くも失踪した挙句、アルゼンチンで愛人(43)と時間を共にしていたことを自ら記者会見で告白・涙の謝罪というのだから、「政界失楽園」として騒がれるのも当然だろう。人気TVドラマ『デスパレートな妻たち』を地で行く、面白すぎる話。とはいえ、さすがに米国メディアの報道はかなり抑制されている。日本では考えられないことだが、クリントン時代と比べても、スキャンダルやゴシップを楽しむ余裕がないということか。

サンフォード知事の Wikipedia 記事はさっそく「失踪」と「不倫 (extramarital affair)」の項目が追加された。この対応の速さは日本並みですごい。また、ゴシップ紙やブログでも、相手のアルゼンチン女性、破局寸前だった知事の夫婦関係など、情報満載となっていることは言うまでもない。そんな暇は…と思いつつ、つい読んでしまった。それによると、

順調すぎる人生はどこで狂ったか

サンフォード知事は、富裕層の出身で、プロテスタント系の名門校ファーマン大学 (Furman Univ.)を卒業。ヴァージニア大学でMBA。金融アナリストや不動産業などを経て、1994年の下院選挙に初当選。議会では「伝統的保守派」というスタンスで2000年まで(通算3期)務めて引退。2002年のサウスカロライナ州知事選に立候補して初当選した。知事としては、しばしば補助金政策に反対し、敢えて与党と対立することで全国的な知名度と利益誘導型政治との決別を印象づけていた。大望あってのことであろう。

maria_chapur2その彼に別の人生を歩ませることになったマリア・ベレンさんは、バツイチの2児の母。2001年の911事件をニューヨークから伝える映像が、YouTubeに載っているが、漆黒の髪と濃い眉、黒い瞳が印象的な美人だ。緊迫する状況下でのレポートぶりも見事。名門令嬢出身風のジェニー夫人とはまったく違うタイプだ。最近の写真は、さすがにやや貫禄がつきすぎているが、眼の力が尋常でない。お坊ちゃま風でひ弱なサンフォード知事が恋に「堕ち」てしまったのも無理からぬものがある。「大統領一直線」で「世間」知らずの知事が、初めて知った別の世界だったのだろう。

オトコは50を前にして、意外な行動に走ることがめずらしくない。石川達三に『48歳の抵抗』という情痴小説があったが、「世間」と「老いゆく肉体」への反逆を試みたくなる話だ。サンフォード知事は大望を前に、目の当たりにした大統領選の修羅場と、(大不況で)様変わりした世界にショックを受け、別のものに眼を向けるようになったのかも知れない。クリントンやオバマのように、苦学力行でチャンスをものにした雑草の強さがなく、大統領の地位にそれほどの執着があるわけでもないことが分かったのかもしれない。2年間、選挙にすべてを投げ打つ覚悟など持てそうもない。それより、衰えつつある肉体と失われつつある時間を、もうすこし「自分のために」大事に使ってみてはどうだろう…。彼に囁いたのは、キューピッドか悪魔か。それにしても、50歳前あたりで、オトコには大きな壁(陥穽)が待ち構えている。三沢光晴もマイケル・ジャクソンも逝ってしまった。 (06/27/2009)

Topics: 近時片々(時論) | No Comments »

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