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「依存と反発の12歳」から脱却できるか?:鳩山論文の波紋

By Hiroki Kamata | 2009年 9月 3日

hato1鳩山論文」をきっかけにした騒動は、予想されたことながら、コトを荒立てたい勢力が焚きつけて、新聞紙面での米国当局者、関係者の発言も、おかしな訳が多い。朝日は「ゴト」派のようだ。しかしコトの本質は、「自主外交」とか「米国依存」という日本語が翻訳不能で、その処理に「知日派」やロビイストを必要としてきたことだ。自民党的戦後体制から離脱するなら、相手のわかる言葉で話すしかない。それができるだろうか。
幸いにして、事情を知る米国の当局者たちはタイムリーに、非常にスマートな対応を行って「ゴト師」たちを牽制しているが、これまでの民主党側の対応はいかにもしろうと臭い。外交を始める前から助けてもらっているわけだ。こうした意図せざる「米国依存」体質は、日本的「世間」とグローバルな「外交」との間の壁からきており、もともと自民党ではなく日本的教育に由来する。

誤解の原因は、権威への(つねに過度の)依存と(時に過剰な)反発という日本人の心性だ。依存と反発の対象は、戦後一貫して「官僚と米国」だった。しかしその実態は。

官僚:付き合ってみるとわかるが、官僚のほとんどは「官僚的」ではない。民間企業のほうが「官僚的」な人間は多いくらいだ。「官僚」問題の本質は「官僚」の虚像を利用する御用商(業界)やフィクサーの存在で、官僚たちの多くは虚像に辟易している。民間のパワーブローカーは、世間にある「官僚」像(お上意識)を利用して非競争的利益を維持している

米国:これも本物の官僚と同じく、どこからでも話しやすく、分かりやすく、付き合いやすい。「追随しろ」なんて言わない。北朝鮮はうまく付き合っている。しかし占領軍以来の支配者としての「米国」の虚像を利用したい日本人。もっぱらそういう日本人と付き合う「知日派」の存在が、「米国」のイメージを固定化している。日本人が反発するほどブローカーの存在価値は高まり、非競争的利益は大きい。

ブローカーに頼るのは、コミュニケーション能力がないからだ。「お上」や「占領軍」へのアンビバレントな意識が、「民主化」と「独立」以降も維持されてきたとは、米国人にはまず理解できない。しかしかなり解剖されてきているようで、キャンベル国務次官補の次の発言にもそれがうかがえる(9月3日、毎日・古本記者による)。

「日本が一定の自立志向を有することは必要なことだ。親密な同盟関係と自立志向とはなんら矛盾するものではない」
「もし民主党に対して忠告するなら、官僚を敵視するようなことはやめた方がいい。個人的な経験から言うと、日本の官僚は非常に優秀だ」

翻訳不能な言葉で、日本人だけで「情」を共有できても、それが深いほど相手は対応に窮するか、同じく「情」で応じ、外交を破壊する。「北方領土」や「拉致問題」「靖国問題」「沖縄米軍」など、国内政治と外交が絡む問題ではつねに「情」を制御できず、解決不能となってきた。どれだけ国益が損ねられたか、測り知れない。つねに「国民感情」を持ち出すマスコミは最悪だ。外交はインテリジェンス能力が試される高度にプロフェッショナルな世界だが、これでは外交官も戦略研究者も育ちようがない。日本が三流国に墜ちないためには、今度こそ「12歳」を卒業しなくてはならない。 (09/03/2009)

Topics: 政治・経済・ビジネス, 近時片々(時論) | No Comments »

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